離婚届に新設されるチェック欄のイメージ=法務省のユーチューブチャンネルから
離婚後の養育費の支払いや子との面会交流の実施を促すため、法務省は、離婚届の書式を改めることを決めた。QRコードを加え、スマートフォンで読み取ると、離婚後の養育費の支払いや面会交流の実施が子の利益にかなうことを紹介したサイトにつながる。上川陽子法相は16日の閣議後の記者会見で「離婚を検討している父母が、離婚後の子どもの成長を考えるきっかけの一つになることを期待している」と述べた。
他に加わるのは、養育費支払いの取り決めを公正証書にして法的な効果を持たせたかどうかを尋ねる項目。取り決めの方法として、公正証書か、それ以外かにチェックを入れる。
国内では、夫婦が話し合って離婚を選択する「協議離婚」が9割を占める。ただ、協議離婚の場合、離婚後の子の養育についての取り決めが曖昧になりやすいとされてきた。法務省が3月に実施した協議離婚の実態調査では、離婚した相手と取り決めをしていなかった割合は、養育費で21・5%、面会交流では29%あった。
2012年施行の改正民法は「父母が離婚をする時は、親子の面会や交流、養育費の分担は協議で定める」と明記。離婚届に、養育費の支払いと面会交流の実施について、父母間で取り決めているかどうかを尋ねるチェック項目が加えられた。今回、さらに項目を追加し、子の利益を踏まえた夫婦間の離婚前の話し合いを促したい考えだ。早い自治体では5月ごろから窓口で入手できる。【山本将克】