親権・養育費・面会交流
親権
父母のどちらが親権を持つかを決めて、離婚届に記入しないと、離婚
届は受理されません。
✔全ての親権を同居親が持つ場合
(監護・養育権+子供の財産の管理処分権)
✔別居親が親権を持つ場合
別居親→ 親権(子供の財産の管理処分権のみ)
同居親→ 監護・養育権=保護者
多くの場合が全ての親権を同居親が持つやり方になります。同居親
(ex. 母親)の愛情度・子の愛着度・養育の実績などをもとにして協議
をして決めることになります。 また、同居親が仕事に出ているときに
子供の面倒をみれる者(ex.祖父母等の準監護者)があるかどうかもポ
イントの一つです。
また、子の意見を無視して親権者を決めるのは拙速です。
子が10歳未満の場合、子の意見を聞きましょう。
10歳以上15歳未満なら子の意見を聞いてみねばなりません。
15歳以上なら子の意見を優先します。(家裁実務)
【Q&A】
Q:夫と話し合って、子供の養育費は請求しないことにしました。離婚
したあと、大きなお金が必要になったときに、改めて請求すること
ができますか?
A:可能です。養育費の請求は子供の権利ですから、親同士の合意で放
棄することができません。
養育費
注:母子世帯で、養育費の支払約束のある割合は約43%です。また実際に
支払いが行なわれている割合は約24%です(平成28年度 厚生労働
省 全国ひとり親世帯等調査)。
家庭裁判所が出している標準算定表(令和元年改定)を目安にすると、早
期解決にむけて便利です。もし、従前の家計の養育にかかる費用が標準算定
表の額を上回るようならば、その要素内容について吟味点検して協議をしま
す。
また、離婚後の将来において、双方に関しておおきな事情の変更があった場
合(失職、再婚等の場合)は、誠実に協議して養育費の額について変更する
ことができるような取り決めをしましょう。
養育費の支弁の期間は、親の学歴等を要素に検討して、就職するまで・成
年に達するまで・大学を卒業するまで等の決め方を採用しますが、大学を卒
業するまでと定める傾向になっています。
また、令和4年4月から成年年齢が18歳に引き下げられますが、養育費
の問題でいう成年年齢が直ちに18歳になるわけではありません。当面は
従前どおり20歳の扱いです。
ちなみに、公正証書を作成する場合、養育費もその目的の価額に含まれます
が、公証人の手数料算定の基礎になるのは、最大で10年間の分です。
面会交流
面会交流は、子供だけでなく別居親の権利でもあります。 その実現の仕
方については、自害・他害・連れ去り等の消極要素を慎重に検討することに
なります。 協議の具体的なことがらは、アポの取り方、同居親が同行する
か、第三者が同行するか、回数、期日、時間、宿泊、費用負担等に関して、
大枠だけを決めます。 あまり細部まで詳細に決めごとをしないことがポイ
ントです。 自動車のハンドルと同じく、多少の寛容を設けておかないと行
き詰まりやすいからです。
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